接続箱とは
接続箱とは、太陽電池モジュールのブロックからの複数の配線をまとめて、パワーコンディショナに接続するための装置のことを指します。
接続箱は太陽電池モジュールで発電した直流電流を統合し、パワーコンディショナに供給する役割を果たしています。
太陽電池モジュールは、通常3枚~5枚を一組として1セットの回路を組みます。例えば20枚の太陽電池モジュールがあって、5枚ずつセットにするとすれば、4回路ができることになります。
接続箱内でこの4回路を集結させ、1つの電線としてパワーコンディショナに電気を送り込むことになります。
接続箱には、屋内設置用、屋外設置用、昇圧機能の有無など、メーカーや製品によって違いがあります。
また、シャープの住宅用太陽光発電システムの場合には、接続箱機能がパワーコンディショナに内蔵されているため、接続箱を単体で選択することはありません。
どの接続箱を選んだらよいか分からない方のために、詳しく説明していきます。
屋内設置用の接続箱と、屋外設置用の接続箱
接続箱には、屋内に設置するものと、屋外に設置するものの2タイプが発売されています。
屋外用のものは、軒下の外壁側面など、直接雨がかからない場所に設置する必要があります。
古くに作られた屋外設置用の接続箱では、上部の通気孔から雨水が侵入し、内部の接続端子でショートが起こり発熱・発火し、火災につながったという事故も起きています。
現在販売されている接続箱は外側もしっかりと作られているので心配する必要はないものの、できるかぎり雨や風があたらない場所に設置し、定期的な点検を怠らないことが重要です。
「屋内設置用と屋外設置用ではどちらがよいのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは接続箱を設置する住宅の状況によっても異なってきます。
また、接続箱は配線をまとめてパワーコンディショナに電気を供給するための装置ですから、パワーコンディショナを屋内に設置するか、屋外に設置するかによっても変わってきます。
例えば、パワーコンディショナを屋内に設置している場合、接続箱が屋外に設置されていれば屋内に配線を引き込むための穴は小さくて済みますが、接続箱も屋内に設置されている場合には、各ブロックのケーブルをそのまま屋内に引き込まなければいけないため、穴の直径が少し大きくなります。
この場合、既設の穴を活用して引き込めるのであれば問題ありませんが、活用できない場合には工事により大きめの穴をあける必要があります。
このように、接続箱やパワーコンディショナの設置は、住宅の条件や製品によってベストな方法が色々と変わってくるので、専門業者にアドバイスをもらうのがベストです。
昇圧機能付きの接続箱と、昇圧機能無しの接続箱
接続箱には、「昇圧機能」が付いているものとそうでないものがあります。この両者の違いが分からない方や、そもそも「昇圧機能」とは何なのかが分からない方も多いのではないかと思います。
昇圧機能とは?
先ほど、太陽電池モジュールは3枚~5枚を1つのブロックとしてまとめて回路を組むという話をしました。
この1ブロックごとの太陽電池モジュールは、5枚ごと、4枚ごとなどのように一定の枚数となっている必要があります。
一定枚数を直列にして回路を組み、接続箱で一定枚数を並列にしてパワーコンディショナに送り込み、パワーコンディショナで直流を交流に変換することで、発電した電気は家庭で使用できるようになります。
このとき、ブロックとしてまとめる太陽電池モジュールの枚数が5枚ずつ、など一定になっていれば、基本的にどの回路も同じような電圧となるため、電気のロスが起こらないのですが、1つのブロックだけ4枚になっているなどがあると、他のブロックとは電圧が異なってしまうため、接続箱で単純に並列にまとめてしまうと、供給する電力にロスが生まれてしまうのです。
この供給ロスをなくすためには、とにかくブロックごとの枚数を一定に揃え、回路ごとの電圧を揃える必要があります。
しかし、屋根の形状によっては、全てのブロックを等しい枚数で揃えようとすると、屋根の面積を最大限に活用できず、やむを得ず設置枚数を数枚減らさないといけないといった問題が出てきます。
そこで必要になるのが、「昇圧機能」付の接続箱なのです。
昇圧機能付きの接続箱の場合、電圧の低いブロックの電圧を上げて、他のブロックと電圧を揃えることできます。
こうすることで、電圧が揃わないことにより生じるロスを防ぐことができるのです。そのため、昇圧機能付きの接続箱であれば、ブロックごとの設置枚数を揃えることはそこまで意識せずに太陽電池モジュールを設置できるため、設置バリエーションを増やすことができ、無駄なく発電を行うことができます。
しかしながら、昇圧すること自体でも少し電力のロスは発生してしまいますので、もっともベストなのはブロックごとの太陽電池モジュール設置枚数が揃っていて、それらを直列接続し、接続箱で並列に束ねることができる状態だと言えるでしょう。