発電効率がもっとも良い方角と設置角度
太陽電池モジュールの発電効率は、設置する方角と角度によって変わってきてしまいます。
太陽電池は太陽光を受けることで発電するシステムですが、太陽は毎日東→南→西へと動きますし、季節や緯度などによってその高度も変わってきます。
そのため、この太陽の動きを踏まえたうえで、もっとも長い時間、真正面から太陽光を受け取ることができる方角と角度に太陽電磁モジュールを設置することが重要になるのです。
太陽電池モジュールの一日の発電量が最大となるのは、方位角は南向きで、モジュールの傾斜角が、太陽が真南にあるときの太陽高度に対し、太陽電池のガラス面が垂直になるような角度で設置した場合となります。
また、一般的には年間を通じた発電量が最大となるのは、その地域の緯度と同じ傾斜角で設置した場合といわれています。
目安として覚えておきたいのは、方角は真南、傾斜角は30°が理想、という数値です。
傾斜角と方位角によって発電効率がどのように異なってくるのかを分かりやすく示したのが下記の図となります。
※傾斜角と方位角による発電効率の変化
方位角 |
||||||||
0° 真南 |
15° |
30° |
45° 南東・南西 |
60° |
75° |
90° 真東・真西 |
||
傾斜角 |
0° 水平面 |
89.30% |
||||||
10° |
94.9% |
94.7% |
94.1% |
93.0% |
91.7% |
90.1% |
88.5% |
|
20° |
98.4% |
98.1% |
97.1% |
95.2% |
92.5% |
89.8% |
86.6% |
|
30° |
100.0% |
99.5% |
97.9% |
95.2% |
92.0% |
88.0% |
83.7% |
|
40° |
99.5% |
98.7% |
96.8% |
93.6% |
89.8% |
85.0% |
79.7% |
|
50° |
96.5% |
96.0% |
93.9% |
90.4% |
85.8% |
80.7% |
75.1% |
|
60° |
91.7% |
91.2% |
88.8% |
85.3% |
81.0% |
75.7% |
69.8% |
|
70° |
85.0% |
84.5% |
82.4% |
79.1% |
74.9% |
69.8% |
63.9% |
|
80° |
76.7% |
76.2% |
74.3% |
71.7% |
67.9% |
63.1% |
58.0% |
|
90° |
67.1% |
66.8% |
65.5% |
63.5% |
60.2% |
56.4% |
51.6% |
※真南・傾斜角30°を100%とした場合(東京)のNEDO全国日射関連データマップより算出
※シャープ「屋根の傾斜角・方位角と発電量について」
上記グラフは、東京地区において、方角は真南、傾斜角30°で設置した際の発電量を100としたとき、方角と傾斜角を変えることで、どのように発電効率が変化してくのかを表しています。
各条件下における発電効率の変化を見てみると、方角は真南を基準としたときに、30°までのずれ、傾斜角30°を基準としたときに、10°までのずれであれば、発電効率は97%以上となっており、そこまで大きく効率が落ちないことが分かります。
全ての住宅の屋根が真南の方角で傾斜角30°というベストポジションで太陽電池モジュールを設置できるわけではありません。
上記の数字を前提としたうえで、自宅の屋根の種類や方角、傾きに応じてベストな配置方法を専門家と相談して決めることをおすすめします。