蓄電池とは?
蓄電池とは、文字通り電気を蓄えておき、蓄えておいた電気を必要なときに必要なだけ使用することができる電池のことを指します。蓄えておいた電気がなくなれば、再び充電をすることで、何度でも繰り返し使用することができます。
蓄電池には「二次電池「充電式電池」「バッテリー」など様々な呼び方があります。
蓄電池には産業用のものと家庭用のものがあります。従来は産業用としての用途がメインだったのですが、2011年3月に起きた東日本大震災に伴う防災意識の高まりや、電力需要の逼迫なども背景として、最近では続々と家庭用の蓄電池が登場してきています。
家庭用蓄電池は産業用と比較すると小型で容量も少なく、長時間の使用は難しいものの、緊急災害時や停電時の非常用電力としてはとても役に立つ製品となっています。
災害時には照明や冷蔵庫はもちろん、テレビ・ラジオ・携帯電話など情報取得手段が活用できるのとできないのとでは雲泥の差があります。万が一の備えとして蓄電池を設置しておくことは、防災上の観点からもとても重要だと言えるでしょう。
また、最近では太陽光発電と蓄電池を連携させたシステムなども増えてきており、太陽光発電を導入する方の中には併せて蓄電池を購入する方も徐々に増えてきています。
蓄電池は電気代節約にも活用できますので、太陽光発電の導入により電気代の削減をお考えの方や、出来る限り電力会社から電気を買わずに、自家発電だけでエコロジーな暮らしをしたいという方からのニーズが強くなっています。
蓄電池の効果的な使用方法
蓄電池の機能を最大限に活用するためには、使用方法にも気を付ける必要があります。ここでは、重要なポイントだけに絞ってご紹介しておきます。
設置する環境
蓄電池を設置する環境については、温度や湿度など、使用環境条件を守る必要があります。
温度
蓄電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換するために電気化学反応を利用しているのですが、この電気化学反応は温度が高いほど活発になるという特性を持っています。
そのため、-15℃未満など、著しい低温環境下では使用できる放電容量が著しく減少してしまいます。また、その逆に高温になりすぎると今度は蓄電池の劣化や損傷が激しくなってしまうため、一般的には0℃~30℃での利用が推奨されているケースが多いようです。
湿度
できる限り湿度が高い場所は避けるようにします。一般的には5%~90%以下などで推奨されているケースが多いようです。結露をしてしまうような環境下では使用することができません。
充電する際のポイント
充電をする際のポイントとしては、充電できる容量の100%まで満タンにするのではなく90%に抑えることで蓄電池への負荷を軽減することができるだけでなく、過充電を防ぎ安全に利用することができます。
利用方法
万が一の非常時に備えて、通常時の利用については容量の70%までにとどめておき、残りの30%程度は常に充電した状態で利用をやめることがおすすめです。
当たり前の話なのですが、いくら蓄電池を設置していたとしても、蓄電池の中に電気が充電されていなければ、災害時に電気を利用することはできません。また、常に30%程度を残しておくことで、蓄電池への負荷を軽減し、過放電の防止にもつながります。
蓄電池の寿命
家庭用蓄電池の寿命は放電・充電の回数や容量の状態(100%または0%など電池への負荷が高い状況が続いている場合)、設置環境などによって大きく寿命が左右されてしまう、とてもデリケートな製品です。
そのため、使い方によっては長持ちさせることもできますし、すぐに劣化してしまうこともあります。
家庭用蓄電池はリチウムイオン電池ですが、リチウムイオン電池の寿命は充放電回数が約1,000回と言われているため、1日1回の充電を行うとすると、約3年程度のイメージとなります。
しかしながら、最近では家庭用蓄電池の技術開発も進んでおり、期待寿命は10年~20年など、かなり長期化してきています。
蓄電池は価格も高いため、出来る限り長持ちさせられるように、電池への負荷が少なくなる使用を心がけるとよいでしょう。