悪徳業者のタイプと手口
太陽光発電システムの悪徳業者による被害を未然に防ぐうえでは、悪徳業者がどのような手口をとっているのかを知ることが一番効果的です。
そこで、ここでは悪徳業者のタイプと典型的な手口についてご説明していきます。下記の手口や、類似した手口に遭遇した場合には、契約に向けた手続きを進めるのをやめて、慎重に行動するようにしましょう。
悪徳業者の代表的なタイプと手口
太陽光発電システムの販売を行っている悪徳業者は、主に下記の4つのタイプに分けることができます。
- 過剰なセールストーク・強引な営業
- 法外な見積り価格
- 補助金に関する虚偽の説明・不正な申請
- 手抜き工事
それぞれのタイプについて、手口とともに解説していきます。
過剰なセールストーク・強引な営業
悪徳業者は、太陽光発電システムに関する正確な情報提供を行わずに、過剰なセールストークや強引な営業で、高額な商品を売りつけようとしてきます。
また、彼らは販売のプロでもありますので、安心感を与えるための工夫や購買意欲を刺激する心理操作テクニックなども巧妙に使用してきます。
訪問販売員に対して下記のような特徴を感じたり、セールストークを聞いたりした場合には特に警戒してください。
値引きを強調し、契約を急かすケース
- 地域限定・期間限定・工事数限定など、「限定」による値引きを強調する。
- もっともらしい理由をつけて特別に値引くと伝えてくる
- 「この地域で施工の実績を作りたいので、安くする。」
- 「お客様の自宅は人通りが多い道路に面しており、工事すれば自社の宣伝にもつながるため、安くする。」
- 「補助金の残額が少なくなってきており、補助金があるうちに工事してほしいので、安くする。」
- 内緒にしてくれるなら、この地域の中で最も安く工事すると言い、価格の話を近所の人としないようにさせ、得したように思わせる。
- 最初に合えて高額な話を持ち出して、あたかも大幅に値下げをしたかのように見せかける。
太陽光発電システムのメリットを過剰に強調する
- 事実とは異なる説明を行い、利益を誇張する。
- 「補助金の活用と売電収入で、早ければ5年で確実にもとが取れる。」
- 「ローンを組めば、ただで導入でき、毎月利益が出る。」
- 「一度設置したらメンテナンスは不要なので、何もしなくても稼げる。」
- 発電量シミュレーションなどをもっともらしく算出し、あたかも利益が稼げる根拠であるかのように説明するが、実はシミュレーションの前提条件を大きく操作している。
強引かつ執拗な営業を繰り返す
- 何度断っても、ノイローゼになるほどたびたび訪問してくる。
- はっきりと断れない性格につけこみ、自分の営業成績などを持ち出して情に訴えかけてくる。
- 「あなたのために上司と何度も交渉してここまで値段を下げた」など、自分の努力と苦労を恩着せがましくアピールし、申し訳なさを覚えさせる。(ときにはそのための芝居も打つ)
- 住宅のことや部屋のこと、システムと無関係のことをやたらと褒めあげて、気分を良くしたうえでセールスを仕掛けてくる。
- 「買わないと大きな損をする」「買わないという選択は愚か者の判断」であるかのように、買わないことに対する恐怖心を植えつけるかのようなトークを繰り返す。
- 「賢い人はみんな買っている」「あのお宅は毎月これだけ利益が出ている」など、固有名詞を持ち出さずに、他の人の購入事例や成功事例をアピールする。
上記のように、訪問販売の悪質なセールステクニックや山のように存在しており、言葉巧みに商品をすすめてきます。
最近では高齢者の自宅を集中的に狙っている業者なども出てきているようですので、高齢者の方は特に注意するようにしましょう。
話を聞いていてどこか胡散臭さを感じた場合や、具体性や客観性がない話を続ける場合、メリットだけしか話をしてくれない場合などは、悪徳業者ではないかと疑いましょう。
また、「確実に儲かります。」「絶対に損はしません。」など、断定的な口調でメリットを供してくる場合もNGです。太陽光発電システムは、太陽光という自然エネルギーを活用した発電システムであり、絶対はありません。
法外な見積り価格
悪徳業者の中には、明らかに相場よりも高い値段で堂々と見積書を提示してきて、あたかもそれらしい理由を述べて契約に持ち込むような会社も多く存在しています。
下記のような手口・トークには注意するようにしましょう。
- 太陽光発電システムに蓄熱ストーブや温水器などをつけると更にお得になるなどと謳い、太陽光発電システムとは無関係の商品をセットで売りつけてくる。
- 「初期費用が高い製品であればあるほど発電効率が高く、結果として利益が多くなる」と、具体的な根拠を示さずに説明してくる。
- 「最初に高額なシステムを購入したほうが、故障も少なく修理代もかからないので結局は得をする」などと、具体的な根拠を示さずに説明してくる。
- 最高の条件を前提とした発電シミュレーションなどを作成して、高額な費用を妥当だと思わせる。
- 見積もりの内訳をもっともらしく詳細に分けているが、項目ごとに少しずつ上乗せされている。
- 専門用語や複雑な説明を繰り返し、不要な付属品をあたかも必要であるかのように見せかけて価格に上乗せしてくる。
- 無理やりローンを組むことをすすめてきて、ローンの月々の返済額に落とし込んで話をすることで高額の買い物であるという意識を減らそうとする。
本来の適正価格ではない不当な価格で購入してしまうことを防ぐもっとも効果的な手段は、複数の業者から見積もりをとることです。
また、業者の中には他社の見積り内容をチェックしてくれる業者も存在していますので、積極的に活用しましょう。
もちろん安ければいいというわけではありませんが、妥当な金額というものは存在しています。くれぐれも法外な見積もりにはご注意ください。
補助金に関する虚偽の説明・不正な申請
補助金に関する虚偽の説明を行う業者や、不正な申請を行うことによって利益を得ようとする業者も存在しています。
下記のケースには注意しましょう。
- 補助金の対象となる上限金額を超えた見積もりを提示しているにも関わらず、補助金を活用できると説明してくる。
- 補助金の予算がもうすぐ切れるなど、事実とは異なる説明をして契約を急かす。
- 補助金申請時の応募申込書だけは業者でも代行できないが、補助金の事務手続きは全てを代行できると言い、補助金制度の詳細を知らせない。
- 補助金の事務手続きを全て代行すると言い、実際の見積り内容とは異なる内容で不正申請をする。
悪徳業者は補助金の代行なども粗雑にこなすケースが多く、有効期限に間に合わず補助金が支払われないケースや、不正な申請が発覚して返還が求められるケースなど、様々なトラブル事例が出てきています。
補助金制度の概要については下記ページでも詳しく説明していますので、しっかりと自分自身で理解し、業者の説明が正しいかどうかを判断できるようにしておきましょう。
手抜き工事
太陽光発電システムの急激な普及により、異業種から新規に参入してきた施工業者も増えてきています。
中にはシステム設置の経験が浅く、正しい知識と技術を持っていない施工業者なども存在しており、施工後のトラブルも多くなっています。
施工後のトラブルの中でもっとも多いのが「雨漏り」です。太陽光パネルを屋根の上に設置する際は、パネルを設置する架台を屋根に取り付ける必要があるのですが、この架台を取り付ける際に屋根に穴を開ける必要があり、この穴が原因となって雨漏りが発生してしまうのです。
しっかりとした施工業者であれば問題ないのですが、手抜き工事をする悪徳業者や経験が浅い業者の場合、屋根に穴を開ける際に、穴を開ける箇所の確認不足で屋根の防水シートを破ってしまうことがあります。これが雨漏りの原因となるのです。
こうした施工ミスによる被害に合わないようにするためには、事前に施工業者に対して過去の施工実績や施工件数、施行写真などを見せてもらうなどして、業者の施工技術を確認するのがおすすめです。
また、施工工程の写真などもしっかりと撮影し、報告書としてまとめてくれるかなども確認しておくとよいでしょう。
施工期間が多少長くなっても良いので、ひとつひとつの工事を丁寧にやってくれる業者を選ぶのが一番です。
大切な我が家に手を入れるわけですので、工事費用については多少費用がかさんだとしても、しっかりとした施工業者にお願いすることをおすすめします。