売電メーターの交換費用
太陽光発電システムで発電した電力を電力会社に売電する上では「売電メーター」が必要となりますが、この売電メーターは、正しく電力を計測できているかどうかを確認するために、10年に1度、検定を実施する必要があります。
売電メーターは、検定後に再使用することはありませんので、検定時に取り換える必要があります。つまり、10年に1度は売電メーターを取り替える必要があるということです。
この売電メーターの取替時に、費用が発生する場合と発生しない場合があるのです。
取替え費用を施工主、つまり皆さんが負担するかどうかは、各電力会社が設けている規定によって異なってきます。
パターンとしては大きく下記の2つに分けられます。
- 売電メーターが施工主の所有となる場合
- 売電メーターが電力会社の所有となる場合
売電メーターが施工主の所有となる場合は、施工主が交換代を負担する必要があります。
一方、売電メーターが電力会社の所有となっている場合には、検定時の交換費用については電力会社が負担してくれる場合もあります。
東京電力や北陸電力などは、電力会社が負担してくれるのですが、関西電力や九州電力などは、売電メーターの所有は電力会社ですが、交換費用については施工主の負担となっています。
このように、売電メーターの交換費用が施工主負担となるかどうかや、具体的な交換費用については管轄の電力会社により異なりますので、気になる方は事前に問い合わせておきましょう。
念のため、下記に各電力会社の規定をご紹介しておきます。
施工主側が売電メーターを所有する電力会社
北海道電力:
「太陽光余剰電力を販売するために必要となる電力量計は、お客さまの所有とし、お客さまのご負担で取付けおよび取外しを行っていただきます。」 「電力量計は、検定有効期限内にお取替えまたは再検定を行なっていただく必要があります。このばあいも お客さまのご負担にて実施して頂きます。」
東北電力:
「取引のために計量が必要な場合,商慣習上,売主側が計量装置を負担することとなっておりますので,お客さまのご負担で売電用メーターをご用意ください。」
中国電力:
「電力需給用の計量器はお客さまの所有とし、お客様の負担で取付けおよび取外しを行っていただきます。詳しくは太陽光発電設備を設置された電気工事店にお問い合わせください。」
四国電力:
「20(電力量の計量等)において使用する電力量計等については,発電者が所有し,発電者の負担により計量法にもとづく検定を受け,当社の承認を得て,発電者が受給地点に施設するものといたします。」
「発電者が所有する電力量計等の計量法にもとづく検定有効期間の管理および検定有効期限内での取替えについては,発電者の負担により発電者が行なうものとし,あらかじめその期日を定めて,当社に連絡するものといたします。」
電力会社側が売電メーターを所有する電力会社
東京電力:
「売電用メーターは、当社の所有とし、当社で取り付けるものといたします。また、当社はその工事費を工事着手前にお客さまから申し受けます。」
北陸電力:
「新たに太陽光発電を設置する時:
系統連系に関する技術検討後に、お客さまから工事費(計量器・工事代等の実費相当)を申し受け、当社が取付します。
設備容量の変更・故障等で取替が必要な時:
当社が無償で取替します。
売電用計器の検定有効期限満了時:
当社が無償で取替します。(検定期間満了前に、北陸電力からお客さまへご連絡いたします。)」
中部電力:
「電力量計は当社の資産とし、その設置及び保守管理は当社が行ないます。」
関西電力:
「計量装置は、需給最大電力等に応じて当社が選定し、かつ、当社の所有とし、その設置等は当社が行うものといたします。」
「計量装置の費用とその設置に係る費用(以下「設置費用」といいます。)は、契約者の負担といたします。」
「法令による計量装置の取替えに係る費用(以下「検定費用」といいます。)は、原則として、契約者の負担といたします。」
九州電力:
「(電力量の計量等)において使用する電力量計等は、当社が設置、所有するものとします。また、検定有効期限の管理及び検定有効期限内での取替えについても当社が行うものとします。」
「(電力量の計量等)において使用する電力量計等の取付、取替に関する費用については、「低圧太陽光発電における電力受給用電力量計等単価表」で定める金額」を発電者から申し受けます。」
沖縄電力:
「電力量計量器ならびに系統連系に伴う安全保護装置の取付けは、お客さまの設備としてお客さま負担とさせていただきます。 また、電力購入に伴い当社設備の改修が必要となった場合は、その改修費用についてお客さま負担とさせていただきます。」
売電メーターにはアナログ式・デジタル式がある
売電メーターの交換費用はいくらぐらいかかるのか、という点についてですが、これは売電メーターの方式により異なります。
売電メーターにアナログ式・デジタル式の2つのタイプがあり、デジタル式の場合は設置費用が高くなります。
アナログ式の場合は1万円台、デジタル式の場合は10万円程度になることもあります。
以前ですと東北電力がデジタル式のみの設置が義務付けられていたため、交換費用も非常に高くなっていたのですが、現在では東北電力でもアナログ式・デジタル式どちらでも大丈夫になっています。
- 東北電力 平成21年9月1日「太陽光発電からの余剰電力購入における取引用電力量計(売電用メーター)の取扱い変更のお知らせ」