太陽電池モジュール(ソーラーパネル)とは?

太陽光発電システムの主役とも言えるのが、この太陽電池モジュールです。
太陽電池モジュールとは、太陽電池(セル)を複数枚、直並列接続して必要な電圧と電流を得られるようにした一枚のパネル状にしたもので、太陽光発電システムにおける最小単位として用いられています。
分かりやすく言えば、普段皆さんが目にすることが多い、屋根の上に設置されているあの青色・黒色のパネルのことですね。
太陽電池モジュールは、別名「ソーラーパネル」「太陽光発電パネル」などと呼ばれることもあります。
また、この太陽電池モジュールを複数組み合わせたものを「太陽電池アレイ」と呼びます。
住宅の屋根に設置する際は、屋根の広さや形に併せて複数の太陽電池モジュールを組み合わせて設置するのが通常となります。
太陽電池モジュール1枚あたりの価格がメーカーによって決められているので、(1枚あたりの価格)×(設置枚数)が太陽電池モジュールの設置費用としてかかってくることになります。
太陽電池モジュールには様々な種類がある
太陽電池モジュールは、材料や形態により様々な種類があり、種類によって特徴も異なってきます。
住宅用の太陽電池モジュールを検討する際に、皆さんが理解しておいたほうが良い太陽電池モジュールの種類は、下記の5つです。
ここでは上記6種類の太陽電池モジュールの特徴について簡単に説明しますが、より詳細をお知りになりたい方は、種類ごとのページを参考にしてください。
太陽光発電システムを検討する上では太陽電池モジュールの種類と特徴を理解しておくことは必須ですので、ぜひ参考にしてください。
単結晶シリコン型
単結晶シリコン型は、太陽電池モジュールの中では最も古くから使用されているタイプです。発電効率は高いものの、高純度シリコンの利用量が多く、生産に必要となるエネルギーやコストが高いため、必然的に販売価格も高めであるというデメリットがあります。最近では他タイプでも発電効率が向上してきたため、多結晶型や薄膜シリコン型などへの移行が進んでいますが、現在でも発電効率の高さから多くのメーカーが取り扱っています。
多結晶シリコン型
多結晶シリコン型は、単結晶シリコン型と比較すると面積あたりの発電効率は劣るものの、生産に必要となるエネルギーやコストは少なくて済むため、単結晶型よりも販売価格は安めとなっています。コストと性能のバランスの良さから、最近では太陽電池モジュールの主流となっています。
アモルファスシリコン型
アモルファスシリコン型は、結晶シリコンと比較すると高温時も発電効率が落ちにくい特性を持っています。形態としては薄膜シリコン型に分類され、生産に必要なシリコン原料も少なくエネルギー負担も少ないため、コスト面でも優位性を持っています。太陽光により劣化しやすい性質を持っていたため、以前は電卓など主に室内用途に使用されていましたが、現在では技術革新により長寿命化され、太陽電池モジュールとして実用化されています。
ハイブリッド型(HIT型)
ハイブリッド型は、結晶シリコン型とアモルファスシリコン型を積層した新しいタイプのモジュールです。結晶シリコン型と比較すると変換効率が高く、温度上昇による効率低下も少ないという優れた機能を持っていますが、価格としては高めになっています。三洋電機が主な製造元であり、パナソニック、三洋電気において販売されています。
CIS(カルコパイライト)型(化合物系)
シリコンではなく、化合物によって作られている太陽電池モジュールもあります。その中でも住宅用のモジュールとして代表的なのがCIS型と呼ばれるタイプです。CIS型の名前の由来は、主要な原料である銅(Copper)・インジウム(Indium)・セレン(Selenium)の頭文字から来ています。CIS型は、影にかかっても安定して発電ができる、光照射効果(太陽光にあてておくと変換効率が増加する現象)、温度上昇により発電効率が落ちないなど様々な優れた特性を持っており、次世代の太陽電池と言われています。ソーラーフロンティアがCIS型を採用しています。
太陽電池モジュールの発電効率とコストだけに注目しない
上記のように、太陽電池モジュールには様々な種類のモジュールが存在しており、特徴も異なっています。複数の種類があると、それぞれの発電効率の高さと価格を比較して、もっとも効率が良い太陽電池モジュールを選びたくなりますが、実際には太陽光発電システムの比較をする際には、太陽電池モジュールのタイプの比較だけでは意味がありません。
同じ単結晶タイプのモジュールでもメーカーによって発電効率や価格は異なりますし、太陽光発電システム全体の効率性は、太陽電池モジュールだけでなくパワーコンディショナなどその他の機器の性能によっても変わってくるからです。
また、設置する屋根のタイプや屋根の広さ、日照条件、温度変化など、様々な条件によってベストな太陽電池モジュールは変わってきます。
他人の意見を鵜吞みにしてしまわないように、それぞれの太陽電池モジュールがどのような特性を持っているのかを理解しつつも、実際に検討する際には専門家のアドバイスをしっかりと聞きながらタイプを選ぶのがよいでしょう。