過去最大規模の赤字、工場閉鎖、人員削減と、厳しい経営状況が続いているシャープ。
(※参考:業績が大幅悪化してリストラもするシャープの現状まとめ)
特に液晶パネル・テレビ事業分野における販売不振が大きく業績悪化に影響している状況ですが、そんなシャープでも、太陽光発電の分野では2012年時点で国内シェアナンバーワンを誇っています。
国内メーカーの中ではいち早く太陽光発電事業に取り組み、国内の太陽光発電システム市場を牽引してきたのがシャープです。
既にシャープの太陽光発電を導入されている方も、これからシャープの太陽光発電を導入しようとお考えの方も大変多いのではないかと思います。
しかし、さすがにここまで業績不振のニュースが続いている現状では、
「今後もシャープの太陽光発電事業は継続されるのだろうか?」
「15年の保証制度を導入したのはいいが、15年後にシャープという企業はまだ存続しているのか?」
と不安に思っている方も多いのではないかと思います。
ただでさえ、国内シェアではナンバーワンを誇っているシャープの太陽光発電事業も、世界シェアで見てみると既に2008年時点で1位だったシェアが4位まで落ち込んできているのです。
固定買取価格制度の開始など、市場全体を後押しする枠組みがいくら整ったとしても、現在の状況でシャープは今後も引き続き大規模な設備投資が必要で競争も激化している太陽光発電事業に取り組む余力があるのか?
こんな疑問が湧いてくる方も多いことでしょう。
そんな方にとても参考になる記事がありましたので、ご紹介します。
■家電ウォッチ「藤本健のソーラーリポート
シャープの太陽光発電事業は本当に大丈夫なのか? 事業部長に聞く」
記事内では、発電効率が悪くこれまで敬遠されがちだった寄棟屋根に向けたシャープの新製品についての記事に加えて、見出しの通り「今後もシャープの太陽光発電事業は大丈夫なのか?」という率直な不安に対して、シャープのソーラーシステム事業本部ソーラーシステム事業部長である稲田周次氏が今後のシャープの太陽光発電事業の戦略や見通しについてかなり詳しく答えてくれています。
シャープが太陽光発電の工場を閉鎖する、太陽光発電ビジネスを他社に売却する、といった一部報道の見解に対しても、記事内では
セルは葛城と堺の2カ所で、モジュールは栃木県の矢板、大阪の八尾、堺などで今後も変わらず生産していきます。
したがって、太陽光について、やめることはあり得ませんし、売却するようなこともありません。この太陽光のビジネスで収益を上げていくという思いであり、一丸となって難局を乗り越えていきたいと考えています。
とはっきりと回答してくれています。
肝心の15年保証についても、
当社としては、気持ちは前向きであり、太陽光のビジネスをさらに進めていく、やり切るという思いです。もちろん15年保証における心配は一切ありません。
と明確に心配する必要はないと言ってくれているので、シャープの太陽光発電システムユーザーの方も少し安心できたのではないでしょうか。
もちろん、現在の太陽光発電市場はグローバル規模で競争が激化しており、外資メーカーも数多く参入してきている状況なので、今後15年で太陽光発電市場にどのような変化が起こるかは誰にも予想できません。
ただ、消費者の気持ちとしてはやはり製品の品質や信頼性という面では国内メーカーが安心ですし、日本の太陽光発電市場を牽引してきたシャープには、たとえ会社全体がどれだけ苦境に立たされようとも、引き続き業界のリーダーとして頑張っていってほしいという思いがあります。
シャープの太陽光発電システムの技術は非常に信頼性が高いので、シャープが危なそうだから辞める、ではなく、こんな状況だから応援する意味でもシャープの製品を選ぶ、という発想もいいかもしれませんね。